ブルーアースニュース10月号

NPOブルーアースニュース第104回 2023年10月5日発行

 

 この9月は過去最高の暑さでした。100年間、記録を取っている観測地点は全国に70か所あるそうですが、そのうち66か所で観測史上最高を記録したそうです。気象庁は、30年に一度起きるのが異常気象と定義していますが、今年は「特別異常気象」とでも呼ぶべき暑夏だったわけです。東京都の猛暑日の数を調べてみました。1970年代の10年間で15回、1980年代は9回ですが、今年1年で23回の猛暑日を記録しました。

 ここ数年、キンモクセイに異変が見られます。数年前まで毎年10月上旬になると必ず開花しましたが、一昨年9月上旬にキンモクセイが花を咲かせ、10月上旬にまた咲きました。キンモクセイは夏から秋に気温が下がると開花のスイッチが入るのですが、それが2度起きたのだと考えられます。今年はまだまったく花をつけていません。異変はキンモクセイだけではありません。この季節に咲くことのないクチナシの花が咲きました。異常気象に植物も悲鳴を上げているように思われます。

  でも、朝ドラ「らんまん」での「雑草という草はない」という植物を愛する牧野富太郎の言葉は心に残りました。

 

【NPOブルーアース活動の紹介】

1. おもしろ理科教室/環境教室 (神奈川県)

9月26日、相模原市大沼小学校でKISTEC体験出前教室を実施しました。

9月28日 川崎市幸町小学校でKISTEC体験出前教室を実施しました。

 毎年講師登録しているKSTECの体験出前教室は、今年も13件の神奈川県下の学校から応募がありました。 そのうち4つがおもしろ環境教室です。9月から12月にかけてスケジュールが目白押しなので、会員で協力して支援していきます。

(参照) 理科教室の予定と実績 : https://bit.ly/3Dlz2uA

 

2. E&Eセミナー&見学会

9月17日(日)、田谷の洞窟(横浜市栄区)の保存実行委員会田村裕彦委員

長によるガイドツアーが行なわれ、10名が参加しました。

(参照) 見学会の実績 : https://bit.ly/43EdOo4

 

3 オープンサロン

< 10月の予定 >

テーマ:「おもしろ理科教室、セミ幼虫の捕獲と羽化観察」

・ 日時:10月16日(月)16:00~17:30 (県民センター 603号室, 対面+ Zoom)

・ 話題提供: 西村高志(会員)

・ 概要

①セミの幼虫の捕獲方法②セミの羽化の観察を題材におもしろ理科教室の授業案を紹介します。

< 11月の予定>

テーマ:「セーヌ川とパリ――2024オリンピックを控え河川と都市を知る」

・ 日時:11月20日(月)16:00~17:30 (県民センター703号室, 対面+ Zoom)

・ 話題提供:廣瀬忠一郎 (会員)

・概要

パリ2024オリンピックの開会式は、パリを流れるセーヌ川で行われると発表されています。パリ中心部のセーヌ川で7月26日に開会式が予定され、伝統的にスタジアムで行われてきたパレードが東西6kmにわたる水上へとステージを移すそうです。その前年に際し、セーヌ川とパリについて、幅広く河川と都市の歴史、機能、文化的関わりなどを素描してみる計画です。パリに暮らした時に撮影したセーヌ川と船の写真もお楽しみください。

(参照) オープンサロンの予定と実績 : https://bit.ly/3c7tkyk

 

※会員以外の方のご参加も歓迎します。ご希望の方は下記よりお申込みください。 

https://bit.ly/2Y2rnOC 

(メッセージ欄に「オープンサロン_月参加希望」とご記入ください。

 

4.創立20周年記念事業

 創立20周年を記念して、①記念誌の発行と公開、②記念パーティを11月20日に開催いたします。

 

************************************************************

「コラム」コーナー

               会員 浅井 俊克

 

 7月のオープンセミナでは「ChatGPTと日本の将来」、8月には「『日本の自殺』を読んだことがありますか?」が論じられました。その話の続きをしたいと思います。

ChatGPTは生成AIと呼ばれます。インターネット上にある膨大なデータ(文章や画像)を学習し、プロンプトに示された質問や指示に従って新たな文章や画像などを生み出す人工知能であるからです。

生成AIを使っていて分かったことは、的確な答えを得るためには、プロンプト(文章)を正確な表現で書かなければならないということです。これがプロンプト・エンジニアリングです。

  そして、プロンプト・エンジニアリングを考える時、気になるのがあいまいな日本語です。「亡くなった妻の兄」との表現は、亡くなったのは妻なのか、妻の兄なのか。判然としません。英語では、このようなあいまいな表現はできません。

  日本文化は世界で最もハイコンテクストな文化だそうです。(エリン・メイヤー)

  そこで、ChatGPTに聞いてみました。「ハイコンテクストな文化において、人工知能との共存において、注意すべき点は何ですか」。答えは、「人工知能との共存においては、人工知能はロジカルに情報を処理するため、ローコンテクスト文化に適しているとされます。しかし、人間のように文脈や相手の背景を考慮することができないため、ハイコンテクスト文化に慣れた人間が人工知能と協働する際には、相手の背景や文脈を明示的に伝えることが必要となります」というものでした。

 私は、生成AIの出現により、日本のハイコンテクスト文化が情報化時代に不適合なものであるということを明らかにされたと考えています。

 昨日、茅ヶ崎市の小学校での理科教室「ベンハムのコマ」に参加しました。ベンハムのコマとは、白黒のコマを回転させると、赤、黄、緑、青といった色が生じるものです。目の構造上の理由により錯覚が起きるのです。いろいろな「錯覚」について考えていて、社会において集団が錯覚を起こすことはあるのかとの疑問を持ちました。(先日、映画「福田村事件」を見ていたためか)

 そこで、ChatGPTに聞いてみました。「集団的錯覚とはどういうものですか?また、歴史的事例をご存じですか?」。その答えは「集団的錯覚とは、集団の中での個人の判断が、実際よりも楽観的または悲観的になることを指します。歴史的事例としては、ベトナム戦争、チャレンジャー号爆発事故、ヒットラー政権下のドイツ、バブル期の日本、・・・」。

 「失われた30年」と言われる現在の日本が歴史となる頃、あの時代の日本は集団的錯覚に陥っていたと形容さ

れることになるのでしょう。

************************************************************